2025/08/07 19:03

【袋がけってどんな作業?】
読んで字のごとく、果実に袋をかける作業です。
やり方自体はそこまで難しくありません。袋がけ用の袋の口を開いて、下からブドウの房を袋の中へ。袋の真ん中あたりに果実が来るように調整して、口をギュッと縛って、針金でとめる。
…とまあ、書いてしまえば簡単そうに聞こえるんですが、うちには6000房あります。
1房3秒でも5時間かかります(実際はもっとかかります)。このへん、地味に骨が折れます。
袋がけをする意味ですが、寺本果樹園では主に3つの意味で袋がけをしてるかなぁと思います。主に
①病気対策
②害虫対策
③日焼け対策
です。1つずつ見ていきましょう👉
【病気対策(晩腐病)】
袋がけをする理由、その①は病気対策。
中でも一番恐れているのが「晩腐病(ばんぷびょう)」というやつです。
6月に菌が果実に入り込み、発症するのは8月。遅れてやってくるから“晩”腐病。
忘れたころにやってきて、果実をボロボロにしていきます。
過去には島根県で畑の8割が被害を受けたという話も😱
うちでも数年前、シャインマスカットの半分が腐った年がありました。
「もうやってられん…」と思ったこともありましたが、なんとか踏ん張ってここまで来ました。
この病気、特に雨が直接当たると発症しやすいのが特徴です。
だから袋がけ。
袋が“雨除けの傘”の役割を果たしてくれることで、病気のリスクをグッと下げることができます。
【害虫対策(カメムシ・スリップス)】
続いてその②は害虫対策。
『スリップス(またはアザミウマ)』という虫を聞いたことがあるでしょうか?知ってる方は間違いなく農家です👩🌾🧑🌾
このスリップスは目に見えないほど小さな虫で、実や茎などの汁を吸う害虫です。
スリップスにやられたシャインマスカットは、ガサガサの見た目になってしまい商品価値をなくしてしまいます。
幸い、うちの果樹園ではスリップスの被害は今のところ出ていません。(このまま出ないでいてほしい…🙏)
そしてもう一匹、リアルに現れて困っているのがカメムシです。
このカメムシ、果実に細い針を刺して汁を吸います。
すると果実の内部から液が漏れ出し、カビが生えたり、実が腐ったり…。
一粒やられると、その粒は育ちが悪くなるような感覚もあります。
袋がけは、こうした吸汁系の害虫からブドウを守る『物理バリア』の役割を果たします。(まれに袋の上からでも刺してくるカメムシがいます😈そうなったらお手上げ🤷)